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TITLE: 9/28(FRI) 「エリーゼのために」をめぐる思い・・・その3『エレファント』

2007.09.28

ガス・ヴァン・サントの死の三部作のうちのひとつ。
残りは『GERRYジェリー』と『ラストデイズ』。
どれも人が死に直面した時、どの様に想い、振る舞うか?というのが共通のテーマ。
『ラストデイズ』はニルバーナのカート・コバーンをモデルにしていると言われているが、
実際のところほとんどモデルではない。
(カートの伝記だと思って見て、失望した人数知れず)
同様に『エレファント』はコロンバイン高校の銃乱射事件をモデルとしていると
いわれてはいるが、同じくらいその事件の丸写しではない。
人それぞれの死に方は極めて固有的であり、そのときの行動や心情は
さらに固有性を帯びている。
立証・検証は永遠に不可能でもある。

舞台はオレゴン州ポートランド。
(サントはポートランド出身。ポートランド三部作ともいわれる)
ごく普通の高校生たちのごく普通の一日を描いただけの映画で、
時間とカメラ視点はそれぞれの登場人物の数だけ存在する。
ここでは製作者側の意図や感情の加担は一切描かれていない。
廊下で三人がすれ違うだけでも三人の視点と時間が存在する。
ということはカメラはどこにも存在していない
(通常の映画では役者はカメラを見ることは不自然にも禁止されており、
劇中では唯一の虚点として存在してはいけない点が残ってしまう)ということになる。
何度も多視点で描かれている出来事は「廊下ですれ違うこと」も
「恋愛の噂話をすること」も「銃で学友を殺すこと」も何気なく、
決して特別のこととして描かれていない。。。
これらのことにいわゆる一般社会的な倫理観で望んでしまうと
完全に置き去りを食ってしまうのだ。

さて、銃の乱射をする子たちは兄弟として描かれており、
商品を通販で買い求め、子供部屋で受け取る、、、というごく普通の子供たちである。
商品が銃ということをのぞいては
(だがこれもアメリカ社会では銃を通販で容易に購入出来ることを表してもいる)だが。
そして象の絵が子供の部屋の壁に貼ってはあり、
弟は何度も何度も「エリーゼのために」を練習している。
映画の題名になっている象の絵が何の意味を持たない様に「エリーゼのために」も
別に兄弟の精神的な狂いを表している訳でもない。
子供部屋にいない全てのアメリカ国民マイナス2(兄弟をのぞいて)の
狂いつつある精神状態、もしくはこの映画を見ている私達を含む狂いつつある
全ての観客に向けての鎮魂歌の様に聞こえて仕方がないのである。。。
ここでもベートーベンの「エリーゼのために」は劇中サントラではなく、
狂ってはいない誰かが、狂いつつある誰かに向けて演奏しているのである。
面白いとは思いませんか?

pastedGraphic1.jpg

MMD&VIV.jpg
西海岸のとある街で。
photo:tomo suzuki

 
 
PROFILE

ヴィヴィアン佐藤
TOKYO JAPAN
アーティスト

http://www.cptv.jp/
http://www.geocities.com/westhollywood/
chelsea/7756/


非建築家、アーティスト、イラストレーター、
パーティイスト、ドラァククイーン、文筆家、
映画批評家、、、と様々な顔を持つ。
ジャンルを横断していき独自の美意識と哲学で
「トーキョー」と「現代」を乗りこなす。
様々な言説と言動は分裂的で不明ではあるが、
ここ東京では不思議な整合性を放ち,その場では妙に納得させられてしまう。。。
「予算」と「時間」と「コネ」がないときは
「ヴィヴィアンに聞け、、、」というのが昨今の都市伝説でもある。
パーティ会場や打合せ中で言葉に困った時は
「ヴィヴィアン佐藤はご存知?」で時間を稼げ、共通の話題を見つけられるという。。。
最近ではバーニーズNY、ヴーヴクリコ、LANVIN、MILKFEDなどのディスプレイも手掛ける。
野宮真貴や山口小夜子,野田凪など個性派美学を持つ女性と仕事も多い。
最近の趣味はタランチュラ飼育。
今年はブリーディングを目指す。。


Vivienne Sato
ARTIST

Unbuild Architect, Artist, Illustrator, Drag Queen, Writing Person, Film Reviewer, etc, and various faces.
The genre is crossed, and "Tokyo" and "Present age" are gotten on and digested by an original sense of beauty and the philosophy.
A mysterious correspondence is shot in here Tokyo, and it is made to consent strangely then and there though a variety of remark theories and speech and behavior are divided and uncertain.
“Vivienne asks it” is recent urban legend when there is “Budget” or neither “Time” nor “Back-room influence”.
When the party hall and making arrangements and embarrassing it with middle word, it is possible to buy time by "Vivienne Sato knows", and the common subject is found.
Displays such as BARNEYS NEW YORK, Champagne Veuve Clicquot, LANVIN, and MILKFED are handled.
There are a lot of work with the woman who has the individuality sect aesthetics like Maki Nomiya, Sayoko Yamaguchi, and Noda Nagi, etc.
A recent hobby is tarantula breeding.
It aims at the bleeding this year.
 
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